2015年11月5日 瑞穂会館にてスゲ細工作りを実施しました。
体験者は上越教育大学附属小学校4年生(32名)の皆さんです。先生は石川仁美さん。
スゲを叩いて柔らかくします。本日制作するのは「春駒・はるこま」というスゲでできた馬です。
春駒は平丸地区伝統のスゲ細工「稲馬・いなうま」の技術が凝縮された、習作というお話しです。
なので難しいですがチャレンジしてみましょう。
本日完成に至りませんでしたが、続きは学校で。じっくり復習しながら作ってみよう。
ところで、材料のスゲについて紹介します。
スゲは湿地でよく育ちますが、スゲ細工用にはしっかりと長く伸びた色の良いものが好まれます。そのための手間ひまがあります。
8月16日夏の盛りが収穫期。きれいなスゲを選んで、丁寧に刈り取ります。
収穫の時間帯は晴れの日の朝。色よく仕上げるために、短時間で乾燥させる必要があるからです。
収穫後直ぐに地熱も利用できるアスファルトやトタン板の上に広げます。茎がまとまっているものは一本一本丁寧に分ける作業をすることもあります。
午後にはカラカラになるような暑くて微風があるような日が最適です。その日に干し上がらなければ、夜露にあわないように取り込んでから再び広げて乾燥させる必要があります。色が悪くならないように、また保存中にカビが生えないようにするためです。
スゲは古い家の場合、風通しのよい二階や納屋の暗い所に置いておきます。広い場所が必要ですね。
春駒のたてがみの部分は白くて太いスゲを使います。これは根に近い部分をわざと日に当てて脱色したものを使います。
このようにして様々な工程を経て材料が出来上がっていくわけです。
伝統を守るためにいろんな条件があることにお気づきでしょうか。
《おまけ》
稲刈りや菅刈りの時ぴょんぴょん跳ねている虫。このバッタの名前は何でしょう?
イナゴです。→稲子 とも書きます稲の栽培には害虫です。
ところが、野菜や米食で不足しがちなミネラルやタンパク質を多く含み、身体を健康に保つために必要な栄養素が豊富に含まれます。
害虫を現代は農薬で退治します。
人間は発明や開発で暮らしをどんどん便利にしていきましたが、異常気象や原子力にまつわる災害のことにも触れながら総合的にいろいろ考えてみたいですね。
捕まえて、調理して食べてみてほしいな。